初めまして!
リエカワことリコーダー奏者の河村理恵子と申します。
ブログを訪問して下さって有難うございます。
このブログの登場人物
リエカワ
神奈川県鎌倉市在住の「端っこ系」リコーダー奏者。
筋トレの後はお酒を飲んではいけない、という禁を二回続けて破った。
萩さん
ツンデレ系女子の秋田犬。
暑さで食欲減退気味。
執事さん
会計、録音、写真撮影等様々な業務をテキパキとこなす自称「AI執事」。
アルトリコーダー+通奏低音 お勧め楽譜、今回はご紹介致しますのはフィンガーの作品です。
ゴットフリート・フィンガーはチェコ・モラビア出身の作曲家、楽器奏者(ヴィオラ奏者?)です。
1685年にイギリスに渡り、ロンドンを離れる1704年頃までロンドンの主要な作曲家として活躍しました。
因みに1700年に行われた作曲コンテストでは4位という成績だったそうです。
作曲コンテストの結果はちょっと残念でしたが、爽やかで素朴な温かみのあるメロディは心地良く、心を落ち着かせてくれます。
ドラマチックではっきりしたメロディが好きな方は好みではないかもしれませんが、個人的にはとても好きな作曲家です。
Ground
フィンガーと言えばなんと言ってもグラウンドです。
グラウンド(ground)というのは、決まった進行で繰り返されるバス声部の事で、その上でメロディパートが変奏を行います。
そのような作曲形式の曲を集めた「ディヴィジョン・フルート(1706年)」はリコーダー愛好家の間ではとても有名です。
フィンガーのグラウンドはこの「ディヴィジョン・フルート」と、1702年から1706年にかけてアムステルダムで出版されたリコーダー曲集「エール・アングロア」に入っています。
Air Anglois
「エール・アングロア」は全4巻からなり、当時イギリス国内外で活躍したパーセル、ペジブル、ケラーといった作曲家の作品がトータルで174曲収められています。
グラウンド以外にも、グラウンドの音楽構造を用いた舞曲"シャコンヌ"や、イギリス特有の舞曲"ホーンパイプ"、ロンドーを意味する"ラウンドO"といった魅力的な作品がたくさん収録されています。
短くて比較的易しい曲がたくさん入っており、指使いを一通り覚えた位の方から中級の方までが楽しめる曲集となっています。
ギースベルトが半分位終わった方であれば演奏出来ると思いますよ。
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リコーダーお勧め教則本
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まず始めに、フィンガーのグラウンドの中でも最もよく演奏されている曲を紹介致します。
リコーダー奏者中川つよしさんの素敵な演奏をお聴き下さい。
グラウンド ニ短調/中川つよし(recorder)、林則子(Harpsichord)
冒頭でチェンバロが「レードーシ♭ーラー」と弾いていますが(バロックピッチ)、これがグラウンドです。
この曲はエール・アングロアの第三巻「40 Airs Anglois」に収録されています。
タイトル通り、通奏低音付きの比較的短い曲が40曲収められています。
気軽にバロックを楽しみたい方にお勧めですよ。
注意
以下ご紹介する全ての動画は画面が映っておりませんが、クリックすれば見れます。
A Ground
冒頭の長い音が印象的な曲です。
元々渋い曲ですが、バロックピッチのテナーリコーダーで演奏しているため、更に渋さが増しています。
オルガンの伴奏もいいですね。
この曲はエール・アングロアの第二巻「40 Airs Anglois & 3 Sonates」に収録されています。
通奏低音付きの短い曲がたくさん収められている他、二重奏のソナタが1曲と、曲集の最後には有名なパーチャムの「ソロ」が入っています。
Division flute
「ディビジョンフルート」は1706年、リコーダーが最盛期を迎えていたイギリスのロンドンでリコーダー愛好家のために出版されました。
全2巻からなり、第1巻はグラウンド形式の作品集、第2巻はグラウンドの他にプレリュード、シャコンヌ、シベル(舞曲的要素を持った短い曲)が収められています。
A Ground F-dur
第2巻の冒頭を飾るグラウンドです。
30度超えの中冷房も付けずにブログを作成しておりますが、暑さも吹き飛ぶ清涼感のある曲です。
新緑が眩しい爽やかな季節にトリップしたよう。
皆さん、熱中症にはくれぐれもお気を付けください。
A Division on a Ground F-dur
テナーに近い音域のヴォイスフルート(D管のバロックピッチのリコーダー)で演奏しています。
落ち着いた音色とテオルボの伴奏がいいですね。
お昼ご飯を食べた後に聴いたら、確実に寝てしまいそうです。
A Division on a Ground g-moll
よく演奏される曲です。
よく演奏されるということは、いい曲である証です。
リエカワは小6の時に演奏しましたが、実はあまりいい思い出がありません。
たいしたコメントが出来ず、すいません…。
ディビジョンフルートは「バロックソロスタディ」に全曲入っています。
ディビジョンフルート以外にも色々な曲が入っているのでお勧めですよ。
詳しくはこちらをご覧下さい。
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アルトリコーダー独奏 お勧め楽譜〜中級編~
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6 Sonatas or Solos
1695年にロンドンのウォルシュ社から「6 Sonatas or Solos」というタイトルで出版された曲集には3つのヴァイオリンソナタと3つのリコーダーソナタが収録されています。
そのうちの2曲をご紹介致します。
フィンガーのソナタはテクニック的にはそれ程難しくないので、ソナタ初心者にはお勧めです。
Sonata in d minor for recorder and b.c.
フラットが1つのニ短調です。
イタリアのソナタのように激しく心を掻き立ててくるような雰囲気はありませんが、すっと耳に入ってくる心地の良いメロディです。
個人的にはドラマチックな曲よりも、こんな風にじわっと心に響くような曲が好きです。
楽譜の台紙から垂れている赤いリボンのようなものが、チェンバロの色とマッチしていますね。
Sonata in G major for recorder and b.c.
シャープが1つのト長調です。
1:01~1:02にかけてのメロディが、プッチーニの「誰も寝てはならぬ」の一番盛り上がる部分を彷彿させます。
1楽章のLarghettoとても素敵ですね。
でも、実際の楽譜を見るとあまりのシンプルさに驚く事でしょう。
素敵な曲に聴こえるのは、楽譜にはない装飾を付けて演奏しているからです。
このブログを見ている皆さんも、装飾を付けたり、アーティキュレーションを工夫したりして曲を魅力的に輝かせて下さいね。
片手吹きも注目です!
フィンガーの作品如何でしたか?
比較的易しい通奏低音付きのソナタをお探しの方はこちらもご覧下さい。
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アルトリコーダー+通奏低音 お勧め楽譜~バロックソナタ 入門編~
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今週のKamakura婦人
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明るいM二乗のお二人。
暑い中歩いて来て下さったそうです。
「先生も一緒に」と言われてパチリ!
困った表情のPさんと、背を向ける萩さん。
二人の間に一体何があったのでしょうか…。
その他一時帰国中のAkiyoさん、毎月仕事帰りに来て下さるN吉さん、長年通って来て下さっている元祖鎌倉婦人MARIさん、親子のようなWisteriaのお二人、今月3回目のご来店のノブさん、体験レッスンを受けて下さったNさん、毎月2回新川崎からいらっしゃるY本さん、和田町音楽院の生徒様ありがとうございました!
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